撮ることより、無事に終えること。NISHIZAWAが映像制作で大切にしている判断

NISHIZAWAは、ドローン空撮から始まった映像制作ブランドです。

私がドローン空撮の仕事を始めたのは2015年。

そこから現場で多くの撮影を経験してきました。

ドローンを飛ばしていると、きれいな映像を撮る技術だけでは仕事にならないことを何度も感じます。

天候を見る。

周囲を見る。

機材の状態を見る。

人の動きを見る。

そして、危険だと思ったら止める。

私は、こうした判断を繰り返してきました。

その経験は、現在のNISHIZAWAで行う映像制作にも、そのままつながっています。

映像制作で一番大切なのは、予定していた映像を何が何でも撮ることではありません。

撮影に関わる人たちが、無事に仕事を終えて帰ること。

私はそこまで含めて、ひとつの仕事だと考えています。

「せっかく来たから」は、無理をする理由にはならない

撮影には、多くの人が関わることがあります。

依頼してくださったお客様。

出演者。

カメラマン。

音声スタッフ。

照明スタッフ。

ドローン操縦者。

現場によっては、施設の方や近隣の方にも協力していただきます。

当然、撮影日までには準備があります。

スケジュールを合わせ、機材を準備し、現場まで移動する。

だからこそ、

「せっかくここまで来たのだから撮りたい」

という気持ちは、誰にでもあります。

私にもあります。

しかし、その気持ちと安全は別です。

ドローン空撮であれば、風が強くなれば飛ばさない。

機体の挙動に違和感があれば一度着陸させる。

危険だと判断すれば、その日の撮影を中止する。

これは、撮影を諦めているのではありません。

事故を起こさないために必要な判断です。

私より操縦技術に優れた人はたくさんいる

私は、自分が一番ドローンの操縦が上手いとは思っていません。

私より操縦技術に長けている方は、ごまんといます。

難しい飛行ができる方。

非常に滑らかな映像を撮れる方。

機体を自在に操れる方。

本当に上手な操縦者はたくさんいます。

それでも、事故は起きます。

だから私は、

技術が高いことと、事故を起こさないことは同じではない

と思っています。

どれだけ技術があっても、

「これくらいなら大丈夫だろう」

「あと少しだけ」

「自分なら対応できる」

という判断が積み重なれば、事故につながる可能性があります。

逆に、派手な操縦技術がなくても、

危険を感じたら止める。

分からなければ確認する。

無理だと思ったらやらない。

そうした判断を徹底することで、リスクを小さくすることはできます。

私が大切にしているのは、そこです。

お客様の希望には応えたい。でも安全判断は譲れない

映像制作では、お客様の希望を聞くことがとても大切です。

「もう少しこちらから撮れませんか」

「あと1回撮ってほしい」

「この角度が欲しい」

そうしたご希望には、できる限り対応します。

撮影中にモニターを見ながら、

「もう少しこうしたい」

という要望をいただくのも歓迎しています。

むしろ、一緒に映像を作っていくためには必要なことだと思っています。

ただし、安全に関する判断だけは別です。

例えばドローン空撮中に、

「機体の傾きが大きいので、これ以上は上昇させません」

「風が強くなってきたので、一度着陸させます」

「今日は安全に飛ばせないので中止したいです」

と伝えることがあります。

そこは、お客様の希望より操縦者の判断を優先します。

これは、お客様より撮影者の立場が上という意味ではありません。

安全に関する責任を持つ人間が、最後の判断をする必要がある

ということです。

旅客機の機長と考え方は似ている

私は、この考え方は旅客機の機長にも似ていると思っています。

もちろん、数百人の命を預かる旅客機とドローンでは、責任の大きさは比べものになりません。

それでも、安全に関する考え方には共通する部分があります。

旅客機に何らかの異常が発生したとき、

「乗客が予定どおり目的地まで行きたいと言っているから、そのまま飛ぶ」

という判断はしません。

安全上必要なら、機長が別の空港へ着陸する判断をします。

最終的な運航判断は、その責任を負っている人が行います。

撮影現場も同じだと思っています。

お客様には希望をどんどん伝えていただきたい。

しかし、その希望を実行して安全かどうかは、現場を担当するプロが判断する。

それが本当の意味で責任を持つことだと思っています。

当日の売上より、安全を優先する

ドローン空撮では、現場に着いてから安全に飛ばせないと判断することもあります。

その場合、こちらの安全判断によって中止した撮影について、キャンセル料をいただかないことがあります。

現場まで移動しています。

事前の確認もしています。

機材も準備しています。

補助者を手配していることもあります。

当然、経費は発生しています。

撮影を中止すれば、利益が出ないどころか赤字になることもあります。

それでも飛ばしません。

目先の売上を惜しんで無理をして、事故を起こしたらどうなるでしょうか。

人を傷つけるかもしれない。

物を壊すかもしれない。

お客様にも迷惑をかける。

そして、これまで積み重ねてきた信用を失う可能性もあります。

数万円の売上と比較できる話ではありません。

だから私は、

利益より安全を優先する。

これは理想論ではなく、仕事を長く続けていくためにも必要なことだと思っています。

「やらない」という判断もプロの仕事

プロというと、

「何でもできる人」

「難しいことでもやってくれる人」

というイメージがあるかもしれません。

でも私は、

できないこと、やってはいけないことを、はっきり伝えられる人もプロ

だと思っています。

「それは危険なのでやりません」

「この条件では撮影できません」

「今日は中止します」

こうした言葉は、お客様にとって残念なものかもしれません。

言う側にとっても簡単ではありません。

それでも、必要なときには言わなければならない。

その判断も含めて、お金をいただいて仕事をしているのだと思っています。

ドローン空撮から学んだことを、映像制作全体へ

NISHIZAWAはドローン空撮から始まりました。

だからこそ、映像制作の根底には今でもドローンの現場で学んだ考え方があります。

事前に確認する。

段取りをする。

現場で状況を見る。

違和感を見逃さない。

必要なら止める。

そして、無事に終える。

これはドローンだけの話ではありません。

地上撮影でも、ロケでも、イベント撮影でも同じです。

映像を作るために無理をするのではなく、

安全な環境の中で、できる限り良い映像を作る。

それがNISHIZAWAの考え方です。

撮ることより、無事に終えること

もちろん、私たちは映像を撮るために現場へ行きます。

できる限り良い映像を撮りたい。

お客様にも喜んでいただきたい。

その気持ちは変わりません。

でも、その前提にあるのが安全です。

事故を起こしてまで撮る価値のある映像はありません。

仕事は、撮影ボタンを止めたところで終わりではありません。

機材を片付け、スタッフが撤収し、全員が無事に帰る。

そこまで終わって、初めて撮影は終了です。

撮ることより、無事に終えること。

そして必要なときには、

「今日はやめましょう」と言えること。

ドローン空撮から始まったNISHIZAWAだからこそ、この姿勢をこれからの映像制作でも大切にしていきます。

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