「ドローンの飛行許可を持っていれば、日本全国どこでも飛ばせるんですよね?」
空撮のご相談をいただいた際、ときどきこのような質問をいただきます。
NV LABでは、航空法に基づく年間包括の飛行許可・承認を取得しています。
しかし、包括許可・承認を取得しているからといって、どこでも自由にドローンを飛ばせるわけではありません。
航空法上の「飛行許可・承認」と、実際にその場所を使用してよいかどうかは、別の話だからです。
自動車の運転に例えると分かりやすい
私はお客様に説明するとき、自動車の運転に例えることがあります。
「自動車の運転免許を持っていれば、日本国内の道路を運転できますよね。でも、他人の土地に勝手に入って、そこで車庫入れの練習をしたらどうなるでしょうか?」
当然、「運転免許を持っているから問題ない」とはなりません。
その土地を使用してよいかどうかは、運転免許とは別の話です。
ドローンも考え方はよく似ています。
国土交通省から必要な飛行許可・承認を受けていることと、撮影場所や離着陸場所を自由に使用できることは別です。
たとえば、工場や倉庫、学校、商業施設、スポーツ施設など、他人や企業が管理している敷地から離着陸するのであれば、その場所を使用してよいか確認する必要があります。
場所によっては、所有者や施設管理者への承諾、自治体への確認、施設独自の手続きなどが必要になることもあります。
つまり、
「飛行するための許可を持っていること」
と、
「その場所を使ってよいこと」
は同じではありません。
※ここでいう「使用承諾」は分かりやすく説明するための表現です。実際に必要となる確認や手続きは、場所、施設、管理者、条例などによって異なります。
包括許可は「どこでも飛ばせる許可証」ではありません
ドローンの業務を行っている事業者の多くは、航空法に基づく包括許可・承認を取得しています。
NV LABも年間包括の飛行許可・承認を取得しています。
しかし、包括許可は万能な許可証ではありません。
撮影場所、飛行方法、周辺環境、撮影内容によっては、別途確認や手続きが必要になることがあります。
そのためNV LABでは、撮影のご相談をいただいた段階で、単に
「包括許可がありますので大丈夫です」
とは考えません。
まず撮影場所を確認し、どこから離着陸するのか、どの範囲を飛行するのか、その周辺に何があるのかを確認します。
工場・倉庫の空撮でも「どこを飛ぶか」が重要
たとえば、会社案内やWebサイト用として工場や倉庫を空撮するとします。
依頼者様の敷地内から離陸し、敷地内の上空だけで希望する映像を撮影できれば、比較的飛行計画を立てやすくなります。
しかし実際の撮影では、
「建物の正面から全景を撮りたい」
「工場の規模が分かるように少し離れた位置から撮りたい」
「道路側から建物全体を見せたい」
といったご要望が出てくることがあります。
映像としてきれいに見える位置と、安全に機体を飛ばせる位置が同じとは限りません。
道路があるかもしれません。
隣接する土地があるかもしれません。
人や車が頻繁に通る場所かもしれません。
電線や樹木、建物などが飛行経路に入ることもあります。
そこでNV LABでは、
「ここから撮ればきれいだから、そこまで飛ばそう」
ではなく、
「安全に飛行できる範囲の中で、どうすれば希望する映像を撮れるか」
を考えます。
ここが、業務としてドローン空撮を行ううえで非常に重要だと考えています。
ドローン空撮の仕事は「飛ばすこと」だけではありません
ドローン空撮というと、どうしても操縦技術に目が向きます。
もちろん、飛行技術や空撮技術は必要です。
ただ、NV LABでは「誰よりもドローンの操縦が上手い」ということを売りにしているわけではありません。
私より高度な飛行技術を持った操縦者は、たくさんいると思います。
それでも、業務として空撮を行うためには、操縦技術だけでは足りません。
撮影場所を確認する。
必要な許可や確認事項を整理する。
離着陸場所を決める。
飛行経路を考える。
周囲の人や車両の動きを確認する。
天候を確認する。
そして、条件が整わなければ飛ばさない。
こうした判断まで含めて、ドローン空撮の仕事だと考えています。
NV LABが大切にしているのは「飛ばせるか」より「安全に撮り切れるか」
NV LABが重視しているのは、
「ドローンを飛ばせるかどうか」
だけではありません。
「その現場で、安全に必要な映像を撮影し、持ち帰れるか」
ということです。
飛行そのものが目的ではありません。
お客様が必要としている映像を、安全に撮影することが目的です。
そのためには、場合によっては予定していた飛行経路を変更することもあります。
天候や現場状況によっては、飛行を延期することもあります。
そして、飛行できる条件だったとしても、安全上問題があると判断すれば飛ばさないこともあります。
2015年に空撮を始めて以来、機体落下事故なく業務を続けてきました。
これは操縦技術だけによるものではなく、
「今日は飛ばさない」
「この場所からは飛ばさない」
「この飛行方法は変更する」
という判断を積み重ねてきた結果でもあると考えています。
建設・土木15年の現場経験も生きています
私はドローン空撮を始める以前、建設・土木の仕事に15年間携わっていました。
建設現場では、自分の作業だけを見ていればよいわけではありません。
周囲で人が動き、車両が出入りし、複数の作業が同時に進んでいます。
そこで重要になるのが、安全確認と周囲との連携です。
現在のドローン空撮でも、その考え方は変わりません。
特に工場、倉庫、建設現場などでは、撮影のためだけに施設全体の動きを止められるとは限りません。
NV LABでは原則として操縦者と補助者の2名体制で空撮を行い、補助者が第三者の進入や周囲の状況を確認しながら飛行します。
派手な飛行技術ではありません。
しかし企業から業務として空撮をご依頼いただく場合には、こうした部分も重要だと考えています。
飛行場所の使用承諾は誰が確認する?
NV LABでは、撮影場所や離着陸場所について、必要となる管理者への確認や使用承諾の取得は、基本的に当方で行っています。
ただし、ご依頼者様ご自身が施設や土地の管理者である場合や、ご依頼者様から直接ご連絡いただいた方が確認がスムーズに進む場合には、ご協力をお願いすることがあります。
たとえば、取引先の工場や関連施設、社内の別部署が管理している場所などでは、ご依頼者様からご連絡いただいた方が話が早いケースもあります。
その場合も、必要な確認内容についてはNV LABで整理します。
「どこに、何を確認すればよいのか分からない」という場合でも問題ありません。
撮影場所の状況を確認したうえで、必要な確認事項を整理し、進め方をご案内します。
「この場所で撮れますか?」からご相談ください
ドローン空撮を依頼する際、
「航空法のことが分からない」
「土地の承諾が必要なのか分からない」
「そもそもこの場所で飛ばせるのか分からない」
というのは当然のことです。
お客様にドローンの法律や手続きをすべて調べていただくことはありません。
撮影したい場所と、どのような映像が必要なのかを教えてください。
NV LABでは、飛行許可だけを見るのではなく、撮影場所、離着陸場所、周辺環境、安全管理まで確認したうえで飛行方法を考えます。
「飛ばせます」という返事だけではなく、
「どうすれば安全に撮影できるか」
まで考える。
それがNV LABのドローン空撮です。
